TSUKIKUSA 公式オンラインストア

先日京都伊勢丹でのPOPUPの際に、長年TSUKIKUSAのお財布をご使用のお客様からボタンの締まりが悪くなったとご相談をいただきました。

このタイプのボタンは「バネホック」という種類のもので、強すぎず弱すぎずの丁度良い締まり具合のボタンなのですが、繰り返し使用することで中のバネが緩んだり、摩耗して折れてしまうことがあります。
そのため、製品をつくる段階から基本的に交換できるような構造にするよう意識しているものです。

今回のものも、一度お預かりして新しいボタンへの交換修理をしました。


ボタンの穴の中、左右縦にある棒がバネになっていて、締まる構造です。
こちらはまだ折れてはいませんが、右側のバネが緩くなっているのが分かります。


もちろん簡単に取れるものではないのですが、本体に傷をつけないように気をつけながら、ニッパーを使ってボタンを割り、取り外します。


取り外した状態です。


新たにボタンを取り付けます。
このアイテムではハンドプレスが取り付け部位に届く構造だったので、ハンドプレスを使って取り付けていますが、ボタンの取り付け位置によっては打ち棒を使って、手打ちで取り付ける場合もあります。


新たに付けたボタンです。

緩くなる原因は基本的にいわゆるメス側なのでこちらだけ取り替えればいいのですが、色合いを合わせる意味もあり、オス側も同じ要領で交換します。

今回のように本体を解体する必要のない修理については無料で承っております。
普段は往復の送料がかかってしまいますが、出展時にお預かり出来るものについてはその分送料もかからない形となりますので、もし「ボタンが緩くなってきたな」などありましたら気軽にご相談ください。

尚、お送りでの修理も受け付けておりますが、必ず製品を送る前にメールでお知らせください。

*製品の状態や構造により、有料修理となる場合もあります。
*ご相談の時期により、修理期間が長くなる場合があります。
*修理受付はTSUKIKUSAの製品のみです。
事前にご相談ください。


使い込んだ製品は色が深くなり、艶が生まれ、独特の佇まいになっていきます。
これからも長くご使用いただけると嬉しいです。

豊田観自

プロフィール

豊田観自   代表/デザイン/製作

1985年 広島県生まれ。
大学卒業後、東京浅草の和太鼓・御神輿を製造販売する会社で営業職として働く。
その経験の中で、多くの「職人」と接して自分もモノを作る仕事をしたいと思い、
より日常的な「道具」を作りたいと考え、革製品のメーカーに転職。
2010年から大阪のレザーブランドで5年半、製造・販売に携わり、2015年独立。
自らデザイン、製作、販売までするファクトリーブランド「TSUKIKUSA」を立ち上げる。
革製品の製造に携わって14年ほど(2024年時点)
「小さい」ことと「使いやすい」ことを両立したお財布など、コンパクトな革小物を中心にアイテムを展開。
クラフトイベントへの出店からはじまり、近年は百貨店催事にも数多く出店中。