TSUKIKUSA 公式オンラインストア

4月、5月はイベント出店がそれほど多くないこともあり、在庫の補充と新作のサンプルづくりを主にしています。

単純に革製品をつくるということについては、ある程度の経験を経てTSUKIKUSAをはじめたのですが、新しいものをデザインすることについては、自分ではじめるまではほぼ未経験でした。
デザインを体系的に学んだことはないので、一般的にどう考えていくものなのかわからないのですが、7年ほど自分なりにつくり続けた中で、固まってきた考え方もあります。

まず大切にしていることは、外(=外観)からものをデザインするのではなく、どの部分に、何を、どれくらい入れるのか、ということを出来るだけ具体的に想定し、内から組み立てて、使い方からデザインするということです。

ぱっと製品を見た時に、「かわいい」「洒落てるね」と、言っていただくのももちろん嬉しいことなのですが、やはり道具を作っているので、ある程度使用いただいた上で「使いやすい」「ずっと使ってる」と言っていただくのが一番の喜びです。

そのため、実際にサンプルを作ってみた上で、使用しては修正という工程を繰り返し完成します。
流行に左右されることなく、使い方を徹底的に考えることで生まれる形。
内側から作っていった時に自然と生まれてくる形を大切にして、最終的に外観の部分に目を向けていきます。

外観を考える際に重視しているのは「まとまり」です。非常に感覚的なことなので、言語化することが難しいのですが、その形になることが必然だったように、無駄のない形にしたいと思っています。
本当に見た目というのは面白いもので、ほとんど同じ機能・カタチでも、角のRを18にするか、20にするか、とかホックの直径を8mmにするか10mmにするかなど、言われないと気付かないような微細な違いでかなりイメージが変わります。
そういった細かな隅っこの部分を、全体のまとまりの中でどう見えるかを意識して進めていきます。

また、「手触り」も重要な要素です。
手に包んだ時にちょうどいい大きさ、かたさ、重さ、触感、、、
愛着あるものにしていただくための、実はこの手触りが大きいのではないかと思っています。
いつもサンプルをつくると、目をつむって、手で触りながら、感覚的な違和感がないかを確認します。

そんなことを考えながら、この4月も新作をぼちぼち進めていました。
鞄、財布、キーケース…様々なものを考えますが、なかなかカタチにならず…。
サンプルを完成させるところまでいったのに、お蔵入りになったものもあったり。
サンプル作る前に絵がまとまらないものもあったり。

そんな中、ほぼカタチがかたまったものがこちら。

今は使用感を確かめるために、試しに使っている最中です。
自分が使う中で出てくる細かな違和感や使いづらさを改善したら完成。
今週のDOUBLE神戸には間に合わないですが、6月の京都伊勢丹までには販売できる形にしたいなと思っています。